「リースバック方式」とは 「事業用定期借地権方式との違い」

リースバック方式とは事業用地として、地主様(貸し主)の土地を出店希望企業(借り主)に一定の期間貸す方式の一つの手法です。

 これまで、貸し主の名義になる建物は、貸し主である地主様が金融機関等から資金を調達し自ら建築するスタイルが主流でしたが、「リースバック方式」では、テナントが建築費を「建築協力金」と言う名目で地主様に支払い(無利息で融資)、地主様はこの資金で自己所有の建物を建てるのです。 

建物完成後、建設協力金は、締結した賃貸契約の保証金に転換され、毎月の建物賃料と相殺しテナントに返済していく方式です。 
貸し主は建築費について銀行ローン(融資)を組まなくても、場合によっては自己資金0(ゼロ)で建物をリース(賃貸)できるのです。(造成費用・建築費用等一部負担が必要な場合もある) 

通常土地を有効活用する場合、一般に次の契約方法に分かれます。

  1. 事業用定期借地権による契約(建物所有=テナント)
  2. 建物賃貸借契約による契約(建物所有=地主様)

1.事業用定期借地権 は10年以上50年未満(事業用)の契約で、地主様は土地だけを貸して、借り主が建物を建築します。 契約に際しては、保証金(権利金・敷金など用いることもある)と地代を設定し「公正証書」を交わす必要があります。この場合、契約期間満了時点でテナントは建物を解体し、更地に戻して地主様に返還します。さらに途中解約する場合は、地主に対しペナルティーを支払わなければなりません。

2.建物賃貸借契約 が「リースバック方式・建築協力金方式」の際に用いる契約方法です。 契約期間(慣習上15年間または20年間が多い)を定め、保証金は1.事業用定期借地権 と変わりがありませんが、建物の賃貸借ですから、地代ではなく賃料(借家契約)を設定します。 また1.事業用定期借地権 の場合はテナント名義で建物を建築するため、建物登記は当然にテナント名義になりますが、2.建物賃貸借契約 では建物は地主様の名義になります。この違いが大きいと言うことです。 但し、土地に抵当権等の設定が有る場合には、テナント側は不安で借りてくれません。
また、途中でその様な設定がされた場合にも貸し主側のペナルティーとなります。 

リースバック方式を使う場合「貸主、借主」双方の信頼関係を充分に構築することが、失敗しない契約となります。